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2019年04月25日

名老中医の養生談⑦



――上工治未病、養生可添寿  

 鄧鉄涛先生、男性、1916年10月生まれ。広州中医薬大学終身教授、博士の指導員であり、当代有名な中医学臨床家、理論家、教育家です。鄧先生は養生保健の思想を生活に活用しています。陰平陽秘で、精神恬淡、起居合宜であり、長寿に繋がります。

一、養生の道は「養心」である
 心は一身の主です。中医の理論によると、「心」は血脈の運行を支配するだけではなく、精神活動も主宰し、人体の最も重要な組織であり、「君主」の器官と称されます。故に、養生には、まず「養心」するべきです。心の健在は、機体各臓腑が正常に保つ土台です。保養心神は、まず七情の調節を重視するべきです。所謂七情とは、喜・怒・憂・思・悲・恐・驚の七つの感情です。これらの感情が極めて強いと、臓腑の気血が逆乱になり、病気になります。人間の欲望の際限がないので、肉欲をたくましくすると健康を侵害し、ひいては色んな病気になります。

 何事があっても、いつまでも気にかけてはいけない。一歩譲ったら、度量大きくわだかまりがなくなります。こういう心理状態では、浩然の正気を養い守れます。もちろん、積極的、正確な欲望はなくてはならない。なので、欲望の「大きさ」を把握し、小欲や私欲を捨てて、蒼生(そうせい・庶民の意味)の思いを胸の中に入れる;そして、「求める」と「放す」との釣り合いをとれ、栄誉と恥辱に動じない。それこそ、養心の正道であります。

二、運動するが、し過ぎない  
 運動は養生の重要な一部です。漢代の華侘が五禽戯を論ずる時、こういう至理名言を話しました:「人体は労働が必要だが、不当使極(極端では不適当)だ。動くと、穀気が消化され、血脈が流通し、病気が生まれない。」この「不当使極」の意味は、適量で、過ぎないです。過ぎると養生に不利です。

 運動の種類を外功と内功に分けられます。体操・ジョギング・拳術などは外部へ力を使うから、外功に属すが、五禽戯、太極拳、八段錦などは内功に属します。中年・老人は、スピートを出して走ったり、テニスなど強い運動をしたりするのは不適切です。強い運動で気が消耗され過ぎるからです。しかし、内功では、力ではなく、意念を使い、意念を「主」と「引」にして、気で肢体を動かせ、程良く、傷気耗血しない。太極拳、八段錦は皆中医養生保健学の精華です。八段錦は中国古代の導引術として、体力作りに顕著な効果があり、中華伝統養生文化の貴重な宝物です。先生は、毎日八段錦を練習していまして、筋骨を鍛えただけではなく、臓腑機能の調節効果も得ています。

 中高齢者は、毎日のお散歩を薦めます。特に60歳以上の人は、毎日2回、毎回30~40分の散歩は、身体に非常に良いです。

 運動は、体力だけではなく、脳の運動も含まれます。たとえば、読書、思考、文章を書くなど、皆脳の運動になります。毎日日記を書くことは、健忘や痴呆の予防に良いので、お薦めです。

三、薬食同源、陰陽を平調する
 飲食に節度が必要です。肉や魚など美味しいものを食べ過ぎ、或いは不規則な食事したりすると、脾胃を損傷して、次第に一連の病気が発生します。脾胃は人の後天の本であり、栄養物質の消化吸収、気血の化生は皆脾胃の運化機能に頼っています(「脾胃は気血生化の源」という説がある)。多くの長寿者の飲食習慣から見れば、定時定量の食事、あっさりしたものを摂ることは、長生きの重要な素因の一つだと分かります。先生の食事は、一週間に2回お粥とマントー(中国式の蒸しパン、肉などの具が一切入ってないもの)、1回南瓜、サツマイモを食べます。あっさりしたもので、通腸の効果があり、一石二鳥になります。

 人体の日常状態は多少偏りがあり、絶対な「陰平陽秘」は存在しない。軽度な陰陽失衡は半健康状態に良く見られます。この失衡は薬食の性味を利用して是正できます。先生は偶に中薬を服用します。たとえば:人参10g、陳皮1g。補気兼理気で、南方の湿気地帯に最適です。なお、毎日、田七人参を5~10g飲むと、活血通脈の効用があります。

 先生は、お茶が好きです。血圧が高めなので、よく少量な活血行気の玫瑰花と平肝涼肝の菊花を龍井茶に合わせて飲みます。助消化のプアール茶を朝のお茶で飲んでいます。お茶は長寿に良いものです。「茶」という字は、二十ブラス八十八で、108になります。毎日お茶を飲むと、寿命は「茶」の数字を超えられます。