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2019年05月31日

名老中医の養生談⑧

静座可長寿  

 劉渡舟先生、男性、1917年生まれ。北京中医薬大学教授

 劉先生は養生法の中に、養性を重視し、厳守する格言は「恬淡虚無、真気従之」です。静を中心にして、根気よく、毎日一時間静座します。

 儒・道・佛の三教にそれぞれの養生法があるが、皆静座を主張します。こころを静め、雑念を捨てる、俗世間を忘れ、「恬淡虚無」四文字から着眼すれば、妄念がなくなり、正気が増える、月日のたつうちに、自然に「真気従之」、そして、「精神内守、病安従来?」(正気が増えることに従って、真気がついてきて、精神が内から身体を守るので、病気がどこから来るの?)。

 ここで、静座の方法を紹介します:

 静座は、「打坐」とも言います。静座には、「三調」、すなわち調身・調心・調息をしなければならない。

調身:静座の姿勢を正しくする。ゆるい服装を着る、全身をリラックス、腰背を真直ぐし、あぐらを組んで座る。

調心:全ての雑念をなくすこと。心が何の拘束も受けず、物欲がないままだと、頭がはっきりしていて気持ちがすがすがしく感じる、真気がついて来る。

調息:口を閉じて、舌先を上顎につける。一呼吸は一息、息が粗いと鼻から音が出る(これを「風」と言う)ので、入静できない。粗い息から段々静かになり、息があるようでないようのまままで調整する。

静座は一日一回で、一時間程です。長年間続くと、『内経』に「是以嗜欲不能労其目、淫邪不能惑其心……所以能年皆度百歳而動作不衰者、以其徳全不危也」と書かれてある通りになるでしょう。この言葉の意味は、これで目に嗜欲が入らなく、心も淫邪に惑わされない……故に百歳になっても動作の衰弱がなく、身体が健康であって、危ないことがないでしょう。